60歳からの年金繰り上げ受給で人生が激変しました
私は大阪で家賃9万円の賃貸アパートを娘とシェアして暮らしている60歳のアラ還女子です。
実は私、60歳から繰り上げ年金受給を始めました。
繰り上げ受給したことで月額の受給額は79064円。
本来もらえるはずの99052円からは19988円ほど少ない金額です。
※私は1964年生まれなので厚生年金分は63歳から満額受給できるので厚生年金分は14.4%の減額、国民年金分は24%の減額です。
しかし、実際に受給が始まって経済的にも精神的にも楽になったということは間違いない事実です。
繰り上げ受給申請後、これまですでに3回受給しました。
『セーフ!』初めて年金を手にしたときの気持ちです。
『やっとここまで漕ぎ着けた』という思いでいっぱいになりました。
繰り上げ受給前と一番大きく変わったことは、貯金が減っていくストレスから解放されたことだと思います。
繰り上げ受給を契機にして、思考が劇的に変わったと言っても過言ではありません。
そして不思議と、「これからの人生、明るい未来を引き開いていこう」という覚悟ができました。
私が迷わず60歳で年金繰り上げ受給を選んだ理由とは
私は60歳で繰り上げ受給を申請しましたが、今でも基本的には繰り上げ受給をしないほうがいいと思っているんです。
迷っているなら1ヶ月でも2ヶ月でも遅らせたほうがいいと思っています。
- 65歳より前に繰り上げ受給をすると1か月ごとに受給額が0.4%減ってしまうから
- この減額は老後の体力気力を考えるとかなり大きな額だと思うから
65歳より前に繰り上げ受給をすると、1か月ごとに受給額が0.4%減っていきます。
65歳での満額受給額が月額10万円だとしたら60歳での受取の月額は7万6千円。
年間で28万8千円の差額が出ます。
これは老後の体力気力を考えるとかなり大きな額だと思うからです。
それでも私は60歳からの年金受給を選択しました。
理由としては、49歳で離婚後、自立を目指して働き始めたものの健康上の理由で長い期間、貯金を切り崩しての生活が続いていたからです。
その結果、なんと60歳を迎えるとき貯金額は50万円を下回っていたのです。
そのため、繰り上げ受給するかどうかを迷っている余裕がなかったというのが本音です。
年金繰り上げ受給に対するネットの反応と体験者の声
ネットやSNSを検索してみると、私以外にも年金の繰り上げ受給を申請している人、これから申請しようか悩んでいる方がたくさんいて、様々な意見や感想が投稿されていることを知りました。
ここで実際の投稿をいくつかご紹介しておきます。
3月末で役職定年になった夫の給料
思っていた以上に減額で、医療費限度額の区分一つ下に変わった。
しかしこんなに手取り減るとは😱
やってる仕事変わらないのにって
本人やる気なくしてる。
私の年金繰り上げ受給しといて良かった。何とか自分の医療費はカバーできる。— KUCCA (@KUCCA86) June 4, 2024
上記は、夫の収入が激減したときに年金の繰り上げ受給をしていて良かったという投稿です。受給額のおかげで医療費がカバーできているとのことで、激減した収入の穴埋めができた形になっていますね。精神的な支えの一つになっているのでしょう。
「親が年金を60歳から受け取って80近いけどまだまだ元気なんだよ。早く受け取り始めたから多く貰えて良かった」と同僚ナース。『え?繰り上げ受給は3割も減額してるから76歳を超えると総額で損してるよ』と指摘しても聞く耳を持たず私が間違いだと‥。
看護師は気が強いのにお金の知識は弱過ぎだよね♪ pic.twitter.com/0Sb92yo56N— レイ|オルカン全力ナースマン (@indexfund_nurse) August 5, 2023
上記投稿は、繰り上げ受給すると減額幅が大きいので長くもらえる人は損をするというお話。しかし、受給している当の本人は「多く貰えて得をしている」という感覚なのですから、本人にとってはプラスな判断だったのだと思います。
実際には自分の年金は60歳で繰り上げ受給する予定。24%減額だが4%で割り引いて計算すると死亡年齢の損益分岐は94歳。実際にはリスク資産を非課税口座で運用するので100才まで生きても繰り上げの方が有利。
— 波平 (@namiheisan54) May 14, 2024
上記投稿は、60歳で繰り上げ受給する予定だという方の投稿です。この方の生活スタイルだと100歳まで生きても繰り上げ受給のほうが得をするという計算だそうです。
もう亡くなった親戚の伯母さんが生前「年金なんて早めにもらっておいた方がいい」と言っていたのを思い出した。専業主婦で世代的にはかなり恵まれた支給額だったはずなのだが……実際にもらう年齢あたりになると、減額でも繰り上げ受給でやり繰りした方が自由でいいのかもしれない。
— もりわきやすし (@molirinho) March 30, 2023
上記投稿のように、私は繰り上げ受給のおかげである程度の自由を手に入れることができました。
ここでご紹介したものは、ごく一部に過ぎないほど、ネットやSNSには年金の繰り上げ受給についての投稿がたくさんありました。
その中には1/4の人が繰り上げ受給をしているという投稿も見つけることができました。
国民年金に限って言えば約1/4が繰り上げ受給しているとのことメリットがないのに敢えて行っているみたい。国民が貧しくなっいる一つの証左のきがする。
実際に年金を「繰上げ受給」している人は、日本にどれくらいいるの?(ファイナンシャルフィールド)#Yahooニュース
https://t.co/E0CALgRuXl— 子泣き爺 (@TomonoriTomo) November 8, 2023
繰り上げ受給にメリットは無いと主張されているのが気になったので、年金の繰り上げ受給をすることのメリットデメリットについて調べてみて、実際に繰り上げ受給している私の感想と照らし合わせてみることにしました。
年金繰り上げ受給をしている人の割合と一般的なメリット・デメリット
厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、年金を繰上げ受給している人の割合は、国民年金で10.8%、厚生年金で0.7%となっていました。
長い間、体調不良のため満足に仕事ができない時期を数年過ごした私は『いざとなったら迷わず60歳から年金を受給しよう」と57歳の時から決めていました。
社会保険の加入に拘らず健康ファーストで生きていこうと決めたから
ですが、繰り上げ受給をしている人が想像していたより少ないことを知り、『私の考え方って甘い!?』と不安に苛まれるようになりました。
そこで年金の繰り上げ受給に対するメリット・デメリットをネットで調べて再確認してみました。
ネットに掲載されているメリット | ネットに掲載されているデメリット |
確実に受け取れる。 | 年金が減額される。 |
仕事の時間を減らせる。 | 繰り上げ受給の取り消しはできない。 |
生活費の確保。 | 障害基礎年金が受け取れない。 |
スキルアップや趣味に使える。 | 失業給付金を併給できない。 |
投資に回せる。 | 遺族年金と併給できない。 |
寡婦年金がもらえなくなる。 |
上記のような内容を多くのサイトやSNSで見つけることができました。
❶繰り上げ受給のメリット・デメリット
繰り上げ受給のメリットは、年金を早く受け取れることです。 一方のデメリットは、年金額が減額されその金額が一生続くことです。…
— まーさん|お金が増える習慣 (@fire55miya) September 30, 2024
今話題の繰り上げ受給ですが、メリット・デメリットを考えて、自分に合った受給方法を取りましょう。 私はメリットが多かったので、繰り上げ受給を受けることにしました。損益分岐点は81歳でした。 健康なうちに、自己投資をしたいと思います。
参考記事はコメ欄です。
#年金 #年金繰り上げ受給 pic.twitter.com/DJdxXPshzH— あらかん女子@60歳ブロガー&Webライター (@arakanjyoshi) September 28, 2024
年金は繰下げ受給しようと考えていたが色々考えると繰り上げ受給でも良いかなと思ってきた
繰上げ受給すると確かに受取額は減少するが
色々なメリットがある特に社会保障費と税金を下げられることが大きい
早く資金を投資に回せる年金に頼っているわけじゃないので繰下げ受給は止めます😊
— K488米国株インデックス積立投資 (@K488index) June 26, 2024
私なりにメリットとデメリットを天秤にかけてみましたが、どう考えても私にはメリットの方が大きいと感じました。
そこで、「もう迷わない」という覚悟を決めて繰り上げ受給をすることを選択しました。
実際に繰上げ受給をしてみて感じたメリット5選
私が60歳で年金の繰り上げ受給を開始してすでに3回受給していますが、実際に繰り上げ受給してみて感じたメリット(感想込み)は次の5つです。
- 貯金が減っていくストレスから解放された
- 収入源の確保で選択肢が増えた
- マイペースな暮らしを手に入れた
- やりたかったこと・やりたいことが湧き出てきた
- 遠く離れた年老いた母に会いに行く回数が増えた
メリット❶貯金が減っていくストレスから解放された
年金を繰り上げ受給する前は、なんといっても貯金がどんどん減っていくことが大きなストレスでした。
繰り上げ受給前の私の月収は8万5千円前後ほど。
それに対して1ヶ月の平均的は支出は12万~13万円ほど、収入を支出が上回る日々が続き、どんどん貯金が減っていったのです。
これを自覚してからは、預金残高のことばかり気になって、お金を使うたびに強いストレスと不安を感じるようになりました。
そして、60歳を迎えた当時の現金総額が50万円を切ってしまったのですから、そのストレスの度合いは自分的にMAXに到達したという感じでした。
そんな中、覚悟を決めて繰り上げ受給を申請したことで、毎月約8万円の収入が増えることになり、貯金が減っていくという生活から解放されました。
これは、経済的にも精神的にも大きな変化をもたらしてくれることになりました。
今では50代の私の稼ぎを振り返り、マイナスのスタートではなくゼロからのスタートで納まったことに感謝できるほど気持ちに余裕ができました。
気持ちに余裕が持てるようになったという点は、私にとっては繰り上げ受給の大きなメリットだったと言えます。
メリット❷収入源の確保で選択肢が増えた
繰り上げ受給をもらうようになった私の現在の1ヶ月の収入は、パート代(8万5千円前後)+年金(約8万1千円)合計で約16万5千円です。
私の現在の暮らしを考えると、月々3~4万円ほどを貯金に回せます。
これまでは毎月貯金が減っていっていたのに、増える生活に変わりました。
同時に、「仕事の時間を増やして、やっと元気になった身体を消耗する働き方」以外の選択肢ができたのです。
現在の仕事(週4回4時間半のパート)+年金+スキルアップ(副収入を得るための準備)
目標は副業で月額5万円以上、稼げるようになることです。
メリット❸マイペースな暮らしを手に入れた
私はどちらかというと虚弱な体質・年齢(60歳)・貯蓄がほとんど無いなどの理由で健康をとても意識して暮らしています。
特に食事・睡眠・ストレスフリー・適度な運動、を意識しています。
自分で調理した食事をよく噛んでゆっくり食べる・十分な睡眠時間の確保・ストレスフリー・適度な運動をすることです。
ストレス回避には、なるべく楽しいことしかしない・違和感を感じる人との接触は可能な限り避ける・自分の本当の気持ちを大切にする等です。
とてもシンプルなことのように思えますが、実行するにはけっこうな時間が必要です。
フルタイムで仕事をしている場合は何かを諦めないと無理なのではと感じています。
年金を受給することでマイペースな生活が可能になりました。
せっかく時間を確保したのに怠惰という問題が課題です。
メリット❹やりたかったこと・やりたいことが湧き出てた
最近ではずっと作りたいと思っていた自家製キムチに挑戦しました。
大好物のタルトタタンを焼きました。
やってみたいと思っていた椅子の座面の張替えの準備も進めています。
そして何年も前に挫折したブログも始めました。
チャットGTPも使ってみました。
やりたかったこと・やりたいことがどんどん湧き出てきたのです。
やりたいことリストを作成してブログで公開したいです!
メリット❺遠く離れた年老いた母に会いに行く回数が増えた
89歳になる母が福岡で一人暮らしをしています。
交通費や諸費用で1度の帰省にかかる費用は3万を超えます。
それに加えて長年の体調不良でやせ細った姿を見せたくなかったこともあり
50代は数回しか帰省しませんでした。
年金のおかげで今年に入ってからは既に4月・6月と帰省しています。
そして今月末も帰省する予定にしています。
(8月末は台風の影響で行くことができませんでした。)
父にはしてもらってばかりで何の親孝行もできないままのお別れになってしまいました。
母にはささやかでも親孝行らしきことができたらと思っています。
実際に繰り上げ受給をしてみて感じたデメリット2選
1.90歳辺りまで長生きしたいと思っているけれど受給額の減少
2.修行で習得した節約精神の低下
デメリット❶90歳辺りまで長生きしたいと思っているけれど受給額の減少
私の場合81歳を境に長生きすればするほど、満額受給と比較すると受け取る総額は減っていきます。
90歳辺りまで長生きしたいと思っているのでこれは痛烈な最大のデメリットです。
デメリット❷修行で習得した節約精神の低下
私は独身までは無理なローンを組むような買い物はしないものの、月末には殆どお金が残っていないタイプの人間でした。
元夫が私とは次元が違う、いい意味でも悪い意味でもケチとは真逆の人だったので、家庭での私の配役は、なんとケチ役だったのです。
せっかくの修行(私の場合は結婚)で習得した節約精神がゆらゆら揺らいでいます。
気を引き締めなくては!!と感じています。
まだ受給を開始して約半年なのでデメリットを実感するのはもう少し高齢になってからだと思います。
これから70代、80代になったときのデメリットを最小限に抑えるために先取りした年金を有効に使おうと思っています。
さいごに:説得力のある経験者が語る繰り上げ受給を検討する人への提案
繰り返しますが私は基本的には繰り上げ受給をしないほうがいいと思っています。
迷っているなら1ヶ月でも2ヶ月でも遅らせたほうがいいと思っています。
私のように身体に自信がない状態で65歳まで体力気力を消耗しながら働くよりは、繰り上げ受給をすることで、スキルアップを目指したり、体調管理をしながら細く長く働くという選択肢も悪くないのではということです。
ネットで調べることもできますが、何歳何か月での受給額・総受給額の損益分岐年齢などを調べてもらえます。
失業給付金・遺族年金・障害基礎年金・寡婦年金などについて相談するのもよいかと思います。
自分の選択が家計に与える影響や将来設計を共有しましょう。
私の選択が凶と出た場合、迷惑をかけるかもしれない娘に相談したところ大賛成してくれました。
若いころは『普通の人生でいいや!』と思っていましたが、
『普通の人生って難しい!』というか、『普通って何?』っていうのが年を取ってからの感想です。
生きているといろいろありますが自分の選択がベストだったと思えるような人生を切り開いていきたいです。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
次回は、念願のWordpressブログを始めたお話です。
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